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Dietary Fiber Intake and Depressive Symptoms in Japanese Employees: The Furukawa Nutrition and Healt
業績PUBLICATION
- Nutrition ,32(5):584-589, 2016. (May)
Dietary fiber intake and depressive symptoms in Japanese employees: The Furukawa Nutrition and Health Study.
Miki T, Eguchi M, Kurotani K, Kochi T, Kuwahara K, Ito R, Kimura Y, Tsuruoka H, Akter S, Kashino I, Kabe I, Kawakami N, Mizoue T.
■食物繊維摂取と抑うつ症状の関連 ―断面調査の結果から― |
「野菜・果物からの食物繊維を多く摂取している人は摂取が少ない人に比べて抑うつ症状が少ない」という栄養疫学調査の結果を学術雑誌Nutritionに発表しました。 近年、腸内細菌が脳機能に影響を与えることを支持する研究結果が多数報告され、腸内細菌を修飾する食事要因として食物繊維に関心がもたれています。 これまで、食物繊維摂取と抑うつ症状に関する研究は少数で、他の栄養素、睡眠、運動などの交絡要因が考慮されていませんでした。また、腸内細菌が食物繊維を発酵する際に産生される単鎖脂肪酸(SCFAs)には抗炎症作用があり、食物繊維は種類(水溶性、不溶性)や摂取源(穀類、野菜・果物)により発酵の度合いが異なります。 しかしながら、こういった点に着目した検討はなされていません。本職域研究では、食物繊維の種類や摂取源別に抑うつ症状との横断的な関連を分析しました。
古河栄養健康研究では、関東地方のある企業に勤める約2800名を対象に定期健康診断時に質問紙調査を実施しました。研究への同意を得た18歳から70歳の参加者のうち、がん、循環器疾患、肝疾患、腎疾患、精神疾患の人を除く、1977名を解析対象としました。 抑うつ症状の評価には、世界的に広く使用されている標準的な質問票(CES-D)を用いました。また、簡易型自記式食歴法質問票(BDHQ)により過去1か月間に食べたものを尋ね、習慣的な栄養素摂取量を算出しました。 各食物繊維摂取量(総食物繊維、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、野菜・果物由来食物繊維、穀類由来食物繊維)により対象者を3群に分け、各摂取量と抑うつ症状との関連を調べました。 統計分析にあたって、抑うつ症状に関連する要因(年齢、性別、事業場、婚姻状況、職位、勤務形態、残業、仕事のストレス、仕事関連の身体活動、余暇の身体活動、喫煙、飲酒、緑茶、コーヒー、睡眠時間、肥満度(BMI)、総エネルギー摂取量、葉酸摂取量、ビタミンB6摂取量、ビタミンB12摂取量、n-3系不飽和脂肪酸摂取量、マグネシウム摂取量、亜鉛摂取量)を調整しました。
その結果、図に示すように、野菜・果物由来の食物繊維摂取量が最も多い群では最も少ない群に比べて抑うつ症状が統計的に有意に少ないことが分かりました。 その理由として、野菜・果物由来の食物繊維は穀類由来の食物繊維に比べて発酵しやすく、発酵により産生される単鎖脂肪酸(SCFAs)が抑うつ症状を引き起こす炎症を抑制することが考えられます。 今回の結果は一時点での調査に基づいているため、食事と抑うつ症状との時間関連性がはっきりしないため、縦断的研究により検証する必要があります。
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