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第128回検討会概要《最近の呼吸用保護具の状況-フィットテスト、G-PAPR等-》

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開催概要

日 時:2023年12月7日(木)19:00-20:30
場 所:オンライン討議
ファシリテーター:大﨑陽平先生(ヘルスデザイン株式会社)

研究動向:最近の呼吸用保護具の状況-フィットテスト、G-PAPR等-

演 者:加部勇先生(株式会社クボタ)
抄 録:令和3年4月1日に「溶接ヒューム」が特定化学物質障害予防規則(特化則)の第2類物質に追加され、それに伴い、令和5年4月1日から1年以内ごとに1回のフィットテストが義務付けられた。さらに、令和6年4月1日からは有機溶剤中毒予防規則、特化則、鉛中毒予防規則、粉塵障害予防規則に基づき実施された作業環境測定の結果、第3 管理区分に区分され、作業環境の改善が困難な作業場において引き続き作業を行う場合の呼吸用保護具の選定のための濃度測定等の新たな告示が制定された。その際、面体を有する呼吸用保護具を使用する場合にはフィットテストが義務付けされており、JIS T 8150作成の経緯を説明してフィットテストの理解を深める。また、令和5年10月1日から防毒用電動ファン付き呼吸用保護具(G-PAPR)が型式検定となっている。G-PAPRの構造や特徴を説明し、有機溶剤等の作業環境測定結果で第3管理区分になるなど要求防護係数が高い呼吸用保護具が求められる作業場において、G-PAPRの積極的な導入および活用を促したい。

総合討論:呼吸用保護具に関する事前アンケート結果をふまえた全体討議

呼吸用保護具に関する事前アンケート結果を元に、総合討議を実施した。「保護具全般に関してルールに従った使用ができているか」という問いに対しては、「十分できている」または「まあできている」が86%を占め、アンケート回答者が所属する企業における管理体制が一般企業と比べてしっかりしていることが推察される結果となった。溶接ヒューム作業者に対するフィットテストについては、方法や有効性の確認と共に、機材調達のコストなどの実務的な観点からの議論もなされた。現状では担当事業所で使用しているという回答がなかったG-PAPRについては、講義の中で触れられた有効性について再度議論された。また、化学物質管理が自律的管理に切り替わる中で保護具着用を徹底させることに関して、従来の法的管理における対応との違いが議論された。