第97回検討会概要《オランダにおける、慢性疾患罹患社員の雇用形態の遷移》
前の記事 | 次の記事◆開催日時:2019年12月6日(金)
◆参加人数:20名
※今後の開催予定
1月10日(金)午後6:30~ 産業医科大学東京事務所
2月 7日(金)午後6:30~ 産業医科大学東京事務所
◆紹介論文
論文題名:Employment status transitions in employees with and without chronic disease in the Netherlands.
和 訳:オランダにおける、慢性疾患罹患社員の雇用形態の遷移
掲載誌:International Journal of Public Health (2018) 63:713–722.
担 当:遠藤 源樹 先生(コンセプトシート)
【紹介論文を理解するための6つの質問】
1)慢性疾患と離職との関連で明らかでなかった点は何ですか。
2)本研究では慢性疾患をどのように定義していますか。
3)慢性疾患の有無によって離職理由にどのような違いがありましたか。
4)雇用維持の取組において特に重点を置くべき従業員の特性を6個挙げて下さい。
5)著者が挙げている早期の離職を減らす可能性のある取組を2つ挙げて下さい。
6)今回の結果を受けて、現場でどのような離職対策が考えられるでしょうか。
◆研究動向
タイトル:事例に学ぶ一次予防のための産業医学
担 当:堀 愛 先生
産業医の醍醐味は、土屋健三郎先生の言葉「感謝されない医師になれ」に表されるように、傷病を元から断つ一次予防の実践にあると思います。
一次予防は、リスク評価から始まります。危険有害性が既に明らかなリスクに対しては、標準化された対応が求められます。一方で、見過ごされているリスク、科学的根拠が不十分なリスク、あるいは立場によって賛否が分かれるリスクに向き合うとき、産業医としての問題解決能力が問われます。裏を返せば、「あのときもっと対策を講じるべきだった」、あるいは「あんなにコストを費やす必要はなかった」という後世の批判と、常に隣あわせだと思います。産業医として、一次予防に貢献するためには、何が必要なのでしょうか?明確な答えはありません。古今の事例から、Precautionary approach、リスクコミュニケーションといった問題解決のための枠組みを整理してみたいと思います。